第6分科会

Workshop

人はどこまで愚かな行為が許されるのか
~自己決定と専門職をつなぐ~

担当:広島司法書士青年の会

開催趣旨

理性的に見て本人の生命・身体・財産に関する愚かな行為(愚行)であったとしても、他人に危害を及ばさない限り、そのことで幸福を感じるのであれば、本人の自己決定に委ねようとする考え方があります。このような愚行権の行使は、自己責任論を包含していると言えますが、専門家がそのような当事者に関わる場合、単なる自己責任の問題として突き放すことに戸惑いを覚えることがあるかもしれません。

例えば、後見等業務において、被後見人等がギャンブルに興じ、また、飲酒や喫煙を継続することを強く希望し、それらの行為をすることで強い幸福感を覚えている場合、専門職後見人等である我々司法書士は、どのように対応していくべきでしょうか。

社会一般的な合理的判断、あるいは、専門職の個人的倫理観に照らし、そうすべきでないと断じて、強く中止を求めるのでしょうか?財産管理や身上監護の範疇ではないと判断して、関わりを避けるのでしょうか?それとも、被後見人等と話し合い、その自己決定を尊重し、本人にとって最善の選択を模索していくのでしょうか?

いずれにせよ、専門職後見人等としては、愚行を選択した自己決定への尊重と、保護的対応との狭間で悩むことはあるでしょう。或る行為が当人にとって、善か悪かを判断する絶対的基準などないはずですが、専門職としては、財産上、あるいは健康上の管理が適切ではないとして、業務上の責任を負ってしまう可能性があります。

直ちに愚行を阻止・制止するのではなく、本人と徹底的に話し合ったうえで時間をかけ、自己実現に寄与していくことが理想かもしれません。本人のベストインタレスト(最善の利益)と専門職の責任論という危うい均衡は、総合的に考察していくべきでしょう。

そのためには、そもそも「愚行」とは何か?「自己」とは何か?「決定」に至るプロセスとは?法律実務家にとっての「自己決定」とは?などを横断的に考察する必要があります。

当分科会では、人権を中心に研究されている横藤田誠先生から、我々実務家にとって有益となる示唆をいただきたいと考えています。

研修内容

・愚行権、及び自己決定権を中心とした講義

・後見等業務における事例検討(グループディスカッション等)、またはパネルディスカッション等を予定

■講師プロフィール/広島大学大学院教授

横藤田誠氏

※上記内容は今後の動向、研究成果により一部変更する場合がありますので、予めご了承願います。